企画展 「思春期の心-多治見中学校3年生の茶碗-」
2022.01.04
令和3年5月、多治見市立多治見中学校で、「特別鑑賞会」を実施しました。
これは、美術科で卒業記念の茶碗をつくるにあたって、郷土のやきもの、美濃桃山陶を本物から学ぼうという、授業の一環として実施したものです。
鑑賞する茶碗は、当館所蔵の織部焼の2碗(黒織部茶碗、鳴海織部茶碗 ともに17C)で、3年生約140人全員が、織部の個性的な茶碗を両の掌に抱いて鑑賞しました。(下写真)
この鑑賞会で大切にしたのは、表現の基盤となるのは「感動体験」であり、そのためには本物のもつ絶対的な価値を自然に、効果的につかみとるということでした。
バーチャルな体験が誰でも簡単にできるようになった今日だからこそ、実物を身近で見たり感じたりすることが、ますます重要になってきていると考えた実践でした。
これは、実物展示を使命としている博物館施設、そして当館にとって、教育施設としての立場を展望するうえで、大きなテーマとしているところです。
今回、こうした授業の導入から始まった、多治見中学校3年生の心の振幅が感じ取れる作品と、授業で鑑賞した2碗を共に展示して、その意味・意義を検証します。
企画展 「思春期の心-多治見中学校3年生の茶碗-」
期間:令和4年1月4日(火)~3月6日(日)
場所:多治見市美濃焼ミュージアム ギャラリーS1